磯貝流で「型付」をする前と後では、グラブに明らかな違いが出ます。
どんな点が違ってくるのでしょうか。
それは5つあります。
1)新品なのにすぐ手になじみます。
2)出来上がったその日から使えます。
3)ボールが捕りやすいです。
4)お客様の要望どおりに仕上がります。
5)野球をはじめたばかりの人にも良さが分かります。
これは、当店のお客様がおっしゃっていることなので、間違いはありません。
では、この「5つ」の違いが生まれる理由をご説明しましょう。
【新品なのにすぐ手になじむ】
グラブの型付けをするとき、磯貝流はグラブをお湯につけて革を柔らかくします(湯もみといいます)
実は、手になじむ型付けをするには、湯もみの前の下準備にその秘訣があるのです。
まず、グラブの皮ひもは一旦全部ほどいてしまいます。
その後、事前に取ったお客様の手形にあわせてヒモ通しをしながら調整をします。
この下準備の技は、誰にも真似の出来ない磯貝流独自のものです。
これが手になじむ理由です。
【出来上がったその日から使える】
湯もみの仕方は、お客様によって変えています。
グラブの硬さや柔らかさの好みは、人によって違うからです。
どのように変えるかといえば、それはつけるお湯の温度を調整します。
また、グラブを型付けするため両手でもみますが、その回数を調整するのです。
硬めに仕上げるときは、1回しかもまないこともあります。
柔らかくするときは、6回以上もむこともあります。
こうして出来上がった型付済みグラブは、お客様に合った硬さなので、その日からでも使えるというわけです。
【ボールが捕りやすい】
グラブにはボールを受けるポケットがあります。
しかし、磯貝流ではこのポケットを作りません。
何故でしょうか?
それは、一人ひとりボールを捕る場所が違うからです。
あえて、このポケットを作らないことで、捕球を繰り返すうちにその人にとって正しいポケットが出来てきます。
ポケットが出来るのに1日もあれば大丈夫です。
自分にとって最適なポケットのあるグラブなのですから、捕りやすいのは当然です。
【お客様の要望どおりに仕上がる】
嘘ではありません。
これが、磯貝流得意の技です。
なぜ、そんなことが出来るのでしょう。
簡単なことです。
お客様の要望をとことん聞きだすからです。
グラブをどのように使いたいか?
どのように握りたいか?
どのようにはめたいか?
とにかく、必要なことは徹底的に聞きます。
そうすれば、お客様の要望どおりに作るのはわけありません。
【始めたばかりの人にも良さが分かる】
本当でしょうか?
野球を始めたばかりの人に、グラブの「型付」を説明してもよく理解できません。
それなのに、その良さが分かるのでしょうか?
その秘密は、商品を渡すときにあります。
磯貝流は、革の性質についての説明、グラブの扱い方の説明をするのです。
そうすれば、「型付」の意味は分からなくても、自分に合ったグラブだということが分かります。
これが、磯貝流「型付」の5つの秘密です。